エバラ食品グループは、社会に信頼され、貢献できる企業を目指して、温室効果ガスの排出削減や再生可能エネルギーの活用などの緩和策に取り組んでいます。また、気候変動がもたらす影響などを事業等のリスクとしてとらえ、気候変動への対応にも力を入れています。
緩和策
中長期目標
パリ協定に基づいたCO2排出量削減目標を検討し、エバラ食品グループ全体のCO2排出量を2030年度までに38%削減(2013年度比)するという中長期目標を設定しました。CO2排出量の多い自社3工場(群馬・栃木・津山)を中心に、省エネルギー設備の計画的な導入や燃焼効率の良いエネルギーへの転換、照明のLED化など進めています。
生産における取り組み
①省エネルギー推進活動
エバラ食品自社3工場では、エネルギーの可視化や運用改善を通じて、効率的なエネルギー管理に努めています。定期的に省エネパトロールや省エネ委員会を実施し、具体的な省エネルギー施策を決定・実施しています。
省エネパトロールの様子
省エネ委員会
②エネルギー効率の改善
生産設備の更新時に合わせて、高効率機器への切り替えを進めています。特に照明設備では、労働安全面にも配慮した照度を保ちつつ、倉庫や事務所などの蛍光灯や水銀灯を、電気使用量を抑えられるLED照明に切り替えています。
倉庫のLED照明
③フロン類の管理
フロン排出抑制法に基づき、簡易点検や定期点検を実施し、300台以上の業務用の空調機器や冷凍冷蔵機器を適切に管理しています。フロン類の漏えいは地球温暖化に大きな影響をおよぼすため、これらの点検をとおして、未然にフロン類の漏えいを防止しています。
フロン類の漏えい点検
④太陽光発電システムの導入
エバラ食品では、工場などの屋根や緑地帯に太陽光発電を導入し、再生可能エネルギーの利用促進により環境負荷低減に取り組んでいます。
2013年度は津山工場、2015年度では研究所で売電を開始し、毎年、約350~430世帯相当の年間消費電力を発電しています。
※参考値 一般家庭の年間消費電力量3,000kWh/年:電気事業連合会
津山工場の太陽光パネル
研究所の太陽光パネル
物流(商品輸送)における取り組み
①商品輸送におけるCO2削減
エバラ食品グループでは、積載効率の向上、車両の大型化、モーダルシフトなどに取り組み、商品の輸送にかかるCO2排出量の削減に努めています。
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省エネ法に基づくエネルギーの削減(荷主にかかる措置)
※原単位指数...2006年度のエネルギー消費原単位(エネルギー使用量/輸送重量)を100とする。
モーダルシフト
②共同配送の運用
2019年12月からサッポロホールディングス株式会社、日本パレットレンタル株式会社(JPR)の3社共同で、岡山エリアと大分・福岡エリア間の共同輸送に取り組んでいます。これにより個社単位での輸送時に比べて3社合計で約15.2トンのCO2排出量削減につながっています。
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従来各社が10トン車を用い陸送
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今回の取り組み3社が共同で10トン車を用い、効率的に輸送
③包材の見直し
これまで一部商品の段ボールには、内部に補強の仕切り板を入れていましたが、2023年度に実施した商品リニューアルの際に段ボールの強度を高めながらサイズの最適化を図ることで仕切りを無くすとともに輸送効率の向上を実現しました。
サイズの最適化によりパレット積み付け数が25%増加!
オフィス部門における取り組み
通年型のオフィスカジュアルを導入し、節電に配慮しつつ、社員が快適に働ける環境を整備しています。
また、営業部門では、エコカーを導入し、CO2排出量の削減に努めています。
さらに、働き方改革の推進を通じて、環境負荷の低減にも取り組んでいます。具体的には、在宅勤務やWeb会議の活用などにより、従業員の移動を減らすことにつながり、CO2排出量の削減に貢献しています。
また、中期経営計画「Ebara Reboot 2026」の「ICTの利活用を通じた『データ活用型経営』『業務プロセス改革』の実現」では、業務の効率化やペーパーレス化につながり、その結果、資源やCO2排出量を削減します。
グループ関係会社の取り組み
エバラ食品の関係会社であるエバラ物流の事務所では、SMART CLOCK(スマート クロック)を導入し、電気使用量の可視化や、SMARTMETER ERIA(スマートメーター エリア)で電気の使用状況をリアルタイムで確認し、省エネルギーに取り組んでいます。
また、フォークリフトを全てバッテリーフォークに替え、CO2の排出量を抑えています。
※SMART CLOCK(スマート クロック)、SMARTMETER ERIA(スマートメーター エリア)は、日本テクノ株式会社が提供する省エネ活動支援サービスです。
SMART CLOCK(スマート クロック:左)
SMARTMETER ERIA(スマートメーター エリア:右)バッテリーフォーク
対応策
気候変動を見据えた事業継続
エバラ食品グループでは、気候変動を事業継続に関わる重大なリスクと捉え、BCP(事業継続計画)マニュアルの整備や定期的な役員研修を通じて対応力の強化を図っています。また災害時の備えとして防災備蓄品の拡充も進めており、災害等のリスク発生時にも迅速かつ実効性のある対応が可能な体制を整えています。
その他、気候変動に関するリスクへの対応
気候変動や国際情勢による原材料価格の変動・供給不足に備え、複数企業からの購買や産地分散や、年間契約による安定調達に向けて取り組んでいます。
災害時の事業停滞リスクを軽減するため、拠点の分散化を推進しています。
気温上昇による従業員の健康リスクに対応するため、作業環境の温度管理を強化しています。事例のひとつとして、エバラ物流の倉庫内では、空気循環を改善し快適な作業環境を保つため、シーリングファンを設置しました。