手ごろなお肉を大変身させる「漬けワザ」のススメ

手ごろなお肉を大変身させる
「漬けワザ」のススメ

近年人気となっている赤身肉に適した調理法「漬けワザ」のおいしさを構成する3つの要素を解説するとともに、焼き加減の難しい赤身肉の焼き方について詳しくご紹介します。

漬けワザとは・・・

お肉をたれに漬け込んだのち、焼いてから食べる方法です。肉質のかたい赤身肉や、臭みが気になるお肉を食べるときによく合います。また、冷めても柔らかいので、噛む力が弱い高齢者の方やお子さまのお弁当にもおすすめの調理法です。

お肉をたれに漬け込む

漬けワザのおいしさを構成する3つの要素

高級な霜降り肉は、脂がお肉全体に網の目のように入っているため、焼き加減が少々悪くてもかたくならず、おいしく食べることができます。しかし、乳用牛や輸入牛の肩やももといった脂の少ない赤身肉をおいしく食べるためには、焼き方がとても重要です。手ごろな価格の赤身肉を、高級焼肉にも劣らない味わいに大変身させる調理法が「漬けワザ」です。そのおいしさを構成する3つの要素、「食感」「旨み」「香り」について解説します。

漬けワザのおいしさを構成する3つの要素。食感:柔らかさ、なめらかさ。香り:メイラード反応、カラメル化反応。うまみ:お肉のうまみ、たれのうまみ

おいしさの要素①【食感】

柔らかくジューシーに仕上がる

おいしいお肉にとっても重要なものが柔らかくジューシーな「食感」です。

食用のお肉は通常、pHが5.5~6.0の状態で流通しています。これはもっとも保水性が低く、水分や旨みが含まれる肉汁が流出しやすい状態。加熱するとどんどん肉汁が出て、かたくなってしまいます。

肉汁を逃さないためには、お肉を買って来たらできるだけ早めに、たれに漬け込むのがおすすめです!

たれに含まれる有機酸の働きにより、筋繊維にすき間が生じ、そこに糖やアミノ酸が入り込んで、肉汁の流出を抑えるとともにジューシーなお肉になるのです。

たれに含まれる有機酸の働きにより、筋繊維にすき間が生じ、そこに糖やアミノ酸が入り込む。

おいしさの要素②【旨み】

お肉とたれが生み出す旨みの相乗効果

お肉には核酸系の旨み成分であるイノシン酸が多く含まれます。そのまま焼いて食べてもおいしいのですが、イノシン酸はアミノ酸系の旨み成分であるグルタミン酸と合わせることで、旨みが何倍にも強く感じられるという特徴があります。

たれには、しょうゆや香味野菜由来のグルタミン酸が多く含まれています。だからお肉と一緒に食べることで旨みの相乗効果が起き、お肉の旨みをさらに引き出してくれるのです。

おいしさの要素③【香り】

焼くことで醸し出される食欲をそそる香り

香りは料理を作るうえで重要な要素です。お肉を焼いたときに発生する食欲をそそる香りは、アミノ酸と糖が引き起こすメイラード反応によるもの。パンを焼いたときや、すき焼きを調理するときに出るよい香りも同じです。

お肉を素焼きにするだけでもメイラード反応は起きるのですが、お肉に含まれる糖が少ないため、それほど活発な反応はみられません。ところが、糖やアミノ酸を多く含むたれに漬け込んだお肉を焼くと、メイラード反応やカラメル化反応が同時に活発に起こり、食欲をそそる独特な香りがたくさん生み出されるのです。

焼肉の香りとは…。お肉が焼ける香ばしい香り。たれが焼ける香り。メイラード反応:アミノ酸と糖が化学的に作用し、メラノイジン(褐色物質)と香り物質が作り出される。カラメル化反応:糖が加熱され、褐色物質と苦味成分、独特の甘い香りが作り出される。
メイラード反応が起きている食品の例:焼肉の表面、パンの耳やトースト、ごはんのおこげ、炒めたまねぎ、みそ、しょうゆなど
カラメル化反応が起きている食品の例:プリンのカラメルソース、キャラメルなど

まとめ
「漬けワザ」のポイント

  • お肉の組織の中までたれが入りこみ、ジューシーに仕上がる
  • たれに含まれるグルタミン酸や糖類が、お肉の旨みを引き出す
  • メイラード反応やカラメル化反応が活発に起こり、食欲をそそる香ばしさと焼き色が生まれる
  • 冷めてもやわらかいのでお弁当にも最適

フライパンで作る!おいしい「漬けワザ」焼肉

手順 1

たれをお肉にもみ込み、30分ほどおく

お肉の重量に対してたれを20~25%使用。たれがしみ込むことで柔らかくなり、またお肉の臭みが消えます。漬け込み時間はお肉の厚さによって調節してください。たくさんもみ込むことで漬け時間を短縮することができます。

たれをお肉にもみ込み、30分ほどおく

Point焼く前に、お肉を常温に戻す

フライパンにお肉を入れる際、温度を急激に下げないため常温に戻しましょう。お肉の量や気温にもよりますが、約30分 が目安です。お肉をうすく平らにならすと早く常温に戻すことができます。

漬け込み中のお肉
こんなに違う!漬け込み前、漬け込み後、お肉がたれを吸ってひと回り大きくなるよ!
手順 2

フライパンを中火で、うすく煙が出始めるまで熱する

フライパンからうすく煙が出始める温(200℃)を目安に温めます。加熱時間はフライパンの材質によって異なりますので、加熱のしすぎには注意してください。はじめから油を入れてしまうと、油が先に高温になってしまい、焼きムラの原因になるので、フライパンだけを熱します。

フライパンを中火で、うすく煙が出始めるまで熱する
手順 3

一度火を止め、フライパンにうすく油をなじませてから中火にする

一度火を止めたら油を引き、キッチンペーパー等を使い、フライパンにうすくなじませます。こうすることでフライパンに油の被膜ができ、お肉のこびりつきを防ぐことができます。また、均一な温度でお肉を焼くことができます。

一度火を止め、フライパンにうすく油をなじませてから中火にする
手順 4

お肉をフライパンに1枚ずつ丁寧に並べ、やや強めの中火で表面を速やかに焼き固める

表面を一気に焼き固めることで肉汁の流出を防ぎます。一度にたくさんのお肉を焼こうとすると、フライパンの温度が下がり過ぎてしまうため、お肉を焼く量は少量ずつにしましょう。

お肉をフライパンに1枚ずつ丁寧に並べ、やや強めの中火で表面を速やかに焼き固める
手順 5

お肉の表面に肉汁が浮いてきたら裏返す

お肉の周りの色が変わり、上面に肉汁が浮いてきたら、お肉の中心温度が65℃に上がった目安です。お肉を裏返すのは一度きり!何度も返すと焦げて硬くなるので注意しましょう。

お肉の表面に肉汁が浮いてきたら裏返す
手順 6

残った漬けだれを鍋肌からまわし入れ、照りや香ばしさが出てきたら完成!

漬けだれにはお肉の旨みが含まれているので捨てずに有効活用しましょう。鍋肌からたれを加えることで、メイラード反応やカラメル化反応が活発に起こります。照りや食欲をそそる香りが出てきたら完成です。

残った漬けだれを鍋肌からまわし入れ、照りや香ばしさが出てきたら完成!

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