栄養バランスのいい副菜、汁物は? 豚の生姜焼きにピッタリな献立
ボリューミーで飽きの来ない豚の生姜焼きは、定食のメインにもピッタリ。せっかくなら、味や栄養のバランスがいい献立を考えたいですよね。この記事では、管理栄養士オススメの副菜や汁物をご紹介。それぞれのおかずが持つ健康効果についても解説します。
疲労回復やダイエット効果も!
豚の生姜焼きの健康効果5つ
オススメ献立をご紹介する前にお伝えしたいのが、豚の生姜焼き自体の栄養バランス。疲労回復効果のあるビタミンB1や良質なたんぱく質が豊富な豚肉と、体を芯からあたためる生姜を使った豚の生姜焼きは、栄養バランスにすぐれた優秀メニューなんです。豚の生姜焼きに期待できる健康効果を、5つにわけてご紹介しましょう。
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疲労回復効果
「なんだか体がだるい」といった倦怠感は、糖質(炭水化物)の代謝がうまくいかず、体内のエネルギー循環がうまくいっていないことが原因かもしれません。糖質は脳のエネルギー源でもあるので「頭がぼーっとして考えごとができない」といった症状があらわれることもあります。豚肉に多く含まれるビタミンB1は、糖質の代謝を助けて糖質をエネルギーに変換。心身の疲労を効果的に回復してくれるのです。
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基礎代謝アップによるダイエット効果
豚肉には体内では生成できない必須アミノ酸も多く含まれています。この必須アミノ酸には、筋肉の分解を抑制し、強化・修復するはたらきがあります。特に運動後に豚肉を食べると、効率的に筋肉が形成され、その結果、基礎代謝が上がり、痩せやすい体になることが期待できます。
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肌荒れを治りやすくする美容効果
豚肉に豊富なビタミンB1には、皮膚や粘膜の調子を調える作用もあります。「肌荒れが長引いて化粧のりがよくない」などというときには、積極的に取り入れてほしい食材なんです。また、生姜には血行を促進し体をあたためるはたらきもあり、冷えで顔色がわるくなりがちな人にもオススメです。
胃の調子を整える効果
「生姜焼のたれ」にも多く含まれる生姜には、胃の調子を整えるはたらきがあります。胃腸の調子がすぐれないときや、暴飲暴食などで胃を酷使していると感じるときには積極的に取り入れましょう。
気持ちが安定する効果
豚肉の赤身には、必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンが豊富です。このトリプトファンは、精神の安定を助けるセロトニンという物質を増やし、メンタルヘルスの維持に役立つとされています。また、豚肉の脂分に含まれるアラキドン酸は、記憶力や学習能力を高め、脳の老化を防ぐとも言われています。
豚の生姜焼きの健康効果を引き出す
オススメ副菜10種
心身に必要な栄養素をバランスよく含んだメニューである「豚の生姜焼き」。この豚の生姜焼きの健康パワーをさらに引き出すには、どんな献立を選べばいいのでしょうか。簡単に作れて味のバランスもよい副菜を10品、ご紹介しましょう。
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ポテトサラダ
豚の生姜焼きと相性抜群の副菜といえば、やっぱりポテトサラダ。コクのあるマヨネーズの風味が「生姜焼のたれ」とベストマッチなんです。じゃがいもに多く含まれる食物繊維には、余分なコレステロールを体外に排出する効果も。
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ほうれんそうのゴマ和え
ほうれんそうに含まれるベータカロテンは、油と一緒に食べるとより吸収されやすくなります。良質な脂を含んだ豚の生姜焼きと食べれば、一石二鳥。さらにゴマには、抗酸化作用のあるビタミンEが豊富。肌がキレイになるなどの若返り効果も期待できます。
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冷やしトマト
切って出すだけでOKの便利食材・トマト。ベータカロテンやリコピンが豊富で、美容や健康をサポートしてくれます。赤が食欲増進効果のある色なので、食卓の彩りアップにもオススメ。
もやしのナムル
低価格で手に入る家計の味方といえば「もやし」。あっさり味とシャキシャキとした食感で、豚肉との相性も抜群。かさ増し効果もあるので、ダイエット中の副菜にもピッタリです。
かぶのマリネ
しっかり味の豚の生姜焼きには、酸味のきいたさっぱり味の副菜が合います。マリネはしょうゆを使わずお酢で味付けをするので、塩分が抑えられるというメリットも。お口直しの一品としても重宝しそうです。
大根サラダ
お肉のメニューと一緒にぜひ食べてほしいのが「大根」。ジアスターゼやアミラーゼといった酵素が消化を助け、胃腸への負担を軽減してくれるんです。酵素は熱に弱いので、生のままで食べられるサラダでとり入れるのがベスト。
ブロッコリーとゆで卵のマヨネーズ和え
1のポテトサラダと同じく、マヨネーズの風味が生姜焼きとピッタリ。ゆで卵で良質なたんぱく質も取れて、満腹感もあるおかずです。さらに、ブロッコリーにはビタミンCが豊富。豚肉のたんぱく質と一緒にとることで、コラーゲンがふえて美肌効果も期待できます。
キャロットラペ(細切り人参のサラダ)
5と同じくお酢を使ったさっぱり味で、生姜焼きとの相性抜群。ニンジンにはベータカロテンも豊富で、油と一緒にとることでより効率よく吸収できます。材料はニンジンだけなので、1品足りないときに気軽に作れて便利。
小松菜とさくらえびの和え物
小松菜には日本人に不足しがちなカルシウムが豊富。骨や歯を健康に保ちたい人は、積極的に取り入れてほしい食材です。独特の香りも豚肉とよく合います。さくらえびの赤い色味も献立に華やかさを添えてくれます。
きゅうりとパクチーのサラダ
パクチーには抗酸化作用や食欲増進、消化を助ける効果があります。ぜひ生姜焼きと一緒に食べましょう。きゅうりには体内の余分な水分を排出してくれるカリウムが豊富で、むくみ解消も期待できます。どちらも安価で使いやすく、カロリーも控えめな優秀食材です。
味・栄養のバランスも抜群
豚の生姜焼きにピッタリの汁物5種
献立には欠かせない「汁物」。メインのおかずと副菜を見ながら、塩分や味・栄養のバランスを考えて選ぶのがポイントです。ここでは豚の生姜焼きにピッタリの5種をご紹介しましょう。
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きのこのお吸い物
きのこのうまみ成分で、塩分控えめでもおいしく召し上がれます。えのきやしめじ、なめこなど冷蔵庫にあるもので大丈夫。食物繊維が余分なコレステロールも排出してくれて、低カロリー。
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たまねぎの味噌汁
たまねぎは生姜焼きとの味の相性抜群。たまねぎに含まれる硫化アリルには血液サラサラ効果もあります。
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豆腐とザーサイの中華スープ
生姜焼きの豚肉は動物性たんぱく質なので、豆腐で植物性たんぱく質を補って、バランスをとりましょう。大豆製品にはコレステロールを下げる効果もありますし、ザーサイのコリッとした食感と香りで味に変化がついて、飽きずに食べられます。
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ねぎとわかめのスープ
手軽に作れて味のバランスもいいスープ。血液サラサラ効果のある硫化アリル・硫化プロピルが豊富なねぎと、食物繊維が豊富で余分なコレステロールを排出してくれるわかめは、ぜひたっぷりと入れましょう。
ニラと卵のスープ
良質なたんぱく質がとれる卵と、硫化アリルやベータカロテンが豊富なニラを組み合わせたスープです。ニラははさみでチョキチョキ切れる野菜なので、忙しいときにも包丁いらずで作れて便利。4人分に卵1個程度なら、コレステロールのとりすぎにもならず安心です。
栄養バランス抜群の優秀おかずである「豚の生姜焼き」。健康効果をより引き出しつつおいしくいただくには、献立の組み合わせにも工夫が必要です。味や見た目のバランスはもちろん、それぞれの食材に含まれる成分にも目を向けてみましょう。
管理栄養士のワンポイントアドバイス
献立作りのポイントは、メインのおかずと「味付け」や「調理方法」がかぶらないこと。献立に変化がついて食が進みます。生姜焼きは香ばしい醤油のしっかりした味付けが特徴なので、副菜にはお酢を使ったり、生の食感を楽しめるおかずを選ぶといいでしょう。汁物は少し薄味にして具だくさんにすると塩分のとりすぎを防ぐことができますよ。
(監修:管理栄養士・フードコーディネーター 藤井 佑里子)