「食べる」ことは「生きる」こと。
生活の基礎作りに役立つ食について、
親子で料理を楽しみながら
考えてみましょう。
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食材や人への
感謝が芽生える肉や魚などの動物、米や野菜などの植物にはそれぞれ命があり、
それを自分の命に代えることを「いただきます」と表します。
料理をしてみると、初めて素材のことを知ったり、ご飯を作ってくれる人のことが身近に感じられます。
そして、普段何気なく食べている料理には想いが詰まっていることを実感できます。
自分で作った料理には愛着もわくので、苦手なものでも食べてみよう!という気持ちが芽生えます。 -
五感を刺激!
思考力・好奇心を高める料理をする時は五感がフル回転。味覚(味見をする)、触覚(食材に触れる)、視覚(調理により色や形が変わる)、聴覚(切ったり(トントン)、炒める(ジュー)時の音)、嗅覚(調理中の香り)をたくさん使うので、感性が豊かになり、好奇心を高めることにもつながります。
「さっきと音が変わったね」など声をかけ、五感を刺激するような会話も心がけてみましょう。
親子で一緒に調理することで会話も増え、絆も深まります。 -
役割への責任感が生まれ、
達成感を味わえる一緒に料理をすることで、今までできなかったことができたという達成感が味わえます。
また、たとえ全部一人で作らなくても、役割を与えることで自然と責任感が生まれます。
家族の「おいしかった」という声から、また作って喜んでもらいたいと感じ、
誰かの役に立つ嬉しさを実感するはずです。
がんばってくれたことに対してしっかり褒めて、心を育みましょう。
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見守る
最初は子どもだけでできそうな盛り付けなどからスタートして、できることを増やしていきましょう。
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褒める
できたことを褒めることで
自信が生まれ、
次へのやる気につながります。 -
楽しむ
一緒に「おいしくな~れ」と
楽しみながら作ることは、
料理への最高の
スパイスとなります。
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子どもと一緒に作れるメニューを選びましょう
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作業手順と子どもに任せる役割を考えておきましょう
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安全に調理することの大切さを伝えましょう(包丁の持ち方、火の扱い方など)
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調理道具や熱いものが落ちる事を想定し、靴下をはき、袖がまくりやすく動きやすい服装にしましょう
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必要な場合にはエプロン、踏み台、お手拭き、子ども用包丁などを準備しましょう
苦手な野菜でも、浅漬けなら食べられる子どもが多いと聞いたんですが、 実際浅漬けにはどのような栄養や効果があるのかしら?
浅漬けは加熱調理をしないので、熱に弱いビタミンCを無駄なく摂ることができます。また生野菜にくらべてカサが減り、量が食べられるので食物繊維を効率よく摂取できます。
浅漬けって見た目がそのまま野菜だから、あんまり子どもが好んで食べるイメージがないのだけれど、食べてくれるのかしら?
見た目は野菜そのままですが、野菜は浅漬けすることで、甘味・塩味・うま味を含みます。「母乳」の栄養主成分はエネルギー(主に炭水化物=甘味をもつ)、ミネラル(代表としてナトリウム・食塩=塩味をもつ)、たんぱく質(主にアミノ酸=うま味をもつ)です。子ども達は生まれた時から母乳を飲み続けているので、本能的に甘味・塩味・うま味を含む浅漬けを好む傾向があります。また、苦手な野菜を食べるきっかけになります。
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浅漬けベジトースト
〈4種盛り〉休日の朝ごはんにおすすめ!
子どもも大人も、
好きな食材を好きな分だけ
楽しめる
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材料 (4人分)
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ミニトマトのチョップド浅漬け(まろやか甘酢使用) ミニトマト 8個
エバラ浅漬けの素プチスタイル まろやか甘酢 適量(大さじ3程度) -
きゅうりのピーラー浅漬け(まろやか甘酢使用) きゅうり 1/2本
エバラ浅漬けの素プチスタイル まろやか甘酢 適量(大さじ2程度) -
にんじんの浅漬けラぺ にんじん 1/2本
エバラ浅漬けの素 適量(大さじ3程度) -
キャベツの浅漬けラぺ キャベツ 100g
エバラ浅漬けの素 適量(大さじ3程度) -
食パン 4枚
バター 適量
作り方
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[ミニトマトのチョップド浅漬け(まろやか甘酢使用)]ミニトマトは半分に切ってポリエチレン袋に入れ、「浅漬けの素プチスタイル」を浸る程度注ぎ、冷蔵庫で約20分漬け、汁気をきっておきます。
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[きゅうりのピーラー浅漬け(まろやか甘酢使用)]きゅうりはピーラーで細長くスライスしてポリエチレン袋に入れ、「浅漬けの素プチスタイル」を浸る程度注ぎ、冷蔵庫で約5分漬け、汁気をきっておきます。
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[にんじんの浅漬けラペ]にんじんは千切りにしてポリエチレン袋に入れ、「浅漬けの素」を浸る程度注ぎ、冷蔵庫で約20分漬け、汁気をきっておきます。
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[キャベツの浅漬けラペ]キャベツは千切りにしてポリエチレン袋に入れ、「浅漬けの素」を浸る程度注ぎ、冷蔵庫で約10分漬け、汁気をきっておきます。
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トーストにバターを塗り、①~④をのせて縦4等分に切り、1種類ずつ皿に並べて、出来あがりです。
おすすめポイントと豆知識
キャベツは外葉の方が青臭く感じるため、芯に近い中心のマイルドな部分を使うことで苦手な子どもでも食べやすくなります。
ニンジンに含まれるカロテンの語源はキャロットと言われるほど豊富。
カロテンは油と摂ると吸収率が上がりやすくなるのでトーストのバターとも相性が良いです。
彩り豊富で食感の違う野菜を一緒に食べることは、脳の活性化にもつながります。お子様の作業工程目安
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2~3歳
野菜を袋に入れてもらいましょう。
仕上げの時には「野菜の名前を言いながら盛り付けてね」とお願いすることで、より楽しんでもらえます。 -
4~5歳
きゅうりをピーラーでスライスしてもらったり、千切りがまだむずかしいにんじん、キャベツは安全な使い方を説明して(あれば)スライサーで挑戦してみましょう。彩りのいい盛り付けを考えてもらうのもおすすめです。
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6歳以上
危ない事が理解できる年齢です。
注意事項をしっかり説明し、見守りながら包丁で野菜を切ってもらいましょう。
彩りや食感、香りのことを考えながら盛り付けをしてもらいましょう。
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お花畑の浅漬け
親子で野菜嫌いを克服!
好きな型を選んで
アレンジしても楽しい
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材料 (3~4人分)
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パプリカ(黄) (約150g)
きゅうり 1本(約100g)
にんじん 1/4本(50g)
ミニトマト 5個
モッツァレラチーズ(一口サイズ) 100g
エバラ浅漬けの素 適量(約150ml)
作り方
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パプリカは縦半分に切ってヘタと種を除き、きゅうりとにんじんは5mm幅の輪切りにして、花形の抜き型で抜きます。
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ミニトマトはヘタを取り、爪楊枝で皮目を数ヶ所さします。
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①・②・モッツァレラチーズをポリエチレン袋に入れて「浅漬けの素」を注ぎ、空気を抜いてよくもんでから、冷蔵庫で約20分漬けます。
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汁気をきって皿に盛り、出来あがりです。
※野菜の型抜きは、平らな場所に野菜をおき、まっすぐに力を加えるようにします。
おすすめポイントと豆知識
ピーマンが苦手でも、甘味が強いパプリカは食べやすく、チーズと合わせると苦みがマスキングされおいしく味わえます。また緑のピーマンよりも赤パプリカは約2.2倍、黄パプリカは約1.9倍ビタミンCが豊富に含まれています。
お花の型抜きだけでなく、星やハートなど好きな形に型抜くことで、より料理に興味を持ってもらうこともおすすめです。お子様の作業工程目安
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2~3歳
親が手を添えて一緒に型抜きをしましょう。味覚が敏感な時期なので大人が甘いと感じるパプリカを苦く感じることもあります。「この野菜な~んだ?」と聞きながら楽しむことで身近に感じ、食べられるきっかけになります。
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4~5歳
好きな型で野菜の型抜きをしてもらいましょう。生で味見ができるので、型抜きをした残りを食べてもらい、どのような味がするか聞いてみましょう。出来あがった浅漬けとの味くらべをし、変化に触れてもらうのもおすすめです。
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6歳以上
安全な調理器具の使い方を説明し、見守りながら一人で挑戦してもらいましょう。野菜を型抜きする際、香りや固さなどに触れることで、素材を感じ五感をしっかり使うことができます。
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まろやか甘酢で
カポナータ夏野菜をたっぷり使った
イタリアンメニュー
パンにのせてもおいしい
まろやかなカポナータ詳細を見る
材料 (2~3人分)
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なす 1本
パプリカ(赤、黄) 各1/4個
ズッキーニ 1/2本
たまねぎ 1/4個
セロリ 30g
トマト 1個
にんにく 1かけ
エバラ浅漬けの素プチスタイル まろやか甘酢 大さじ2
塩こしょう 少々
オリーブ油 大さじ2
タイム、サワークリーム、グリッシーニ 適宜
作り方
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にんにくは包丁の背でつぶします。その他の野菜はそれぞれ2cm角に切ります。
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鍋に油とにんにくを入れて火にかけ、香りが出てきたらトマト以外の野菜を加えて炒めます。
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トマトと「浅漬けの素プチスタイル」を加えて炒め合わせ、汁気がなくなってきたら、塩こしょうで味をととのえて、出来あがりです。
※お好みでタイムやサワークリーム、グリッシーニなどを添えてお召しあがりください。
おすすめポイントと豆知識
セロリが苦手な子どもでも、まずは生のままで少し味をみて、カポナータが出来あがってから味見をすると料理をすることでおいしくなったことに気づくはずです。素材を調理すると、よりおいしさが引き出せることを知ってもらうきっかけにもなります。酸味は子どもが苦手な味覚の1つなので、しっかりと加熱しましょう。トマトに入っているグルタミン酸はうま味成分ですので、色々な野菜の味をまとめておいしくしてくれます。
お子様の作業工程目安
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2~3歳
彩りきれいな野菜をお皿に盛り付けてもらいましょう。野菜の名前を言いながら盛り付けてみると、野菜の色やその特徴を知るきっかけにもなります。酸味の味覚が発達する時期なので③の工程はしっかりと行うとよいでしょう。
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4~5歳
扱いやすいなすやパプリカを切ってもらいましょう。炒めることもできる年齢ですので、踏み台などで高さを調整し、チャレンジしてみましょう。生から火が通った時のしんなりする状態など、野菜の変化を観察してみましょう。
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6歳以上
野菜を切ること、炒めることをしてもらいましょう。炒めることで香りが出て、野菜の状態も変わります。それぞれの野菜が合わさることで料理がおいしくなることに触れてもらいましょう。
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- 管理栄養士紹介 野口 知恵
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管理栄養士として講演、レシピ開発、コラム執筆、メディア出演など幅広い活動を通じて、
野菜・果物×栄養とおいしさを伝えている。
「おいしい!」の感動を多くの人と感じる事をモットーとし、大地のめぐみを伝え、
届けたいという想いを持ち、日々活動中。
2015~2017年度内閣府食品安全委員会専門委員を務める。
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