りんごの効能 りんごの成分
りんごが体によいと言われる理由や
おいしさのヒミツは、
その成分を紐解くと答えがわかります。
りんごの成分について、
いろいろな角度から紹介します。
りんごは健康によい栄養成分がたっぷり
りんご(皮つき)の成分
りんご(皮付き)の成分
出典:日本食品標準成分表2020年版(八訂)
りんごが健康によいといわれる理由は、ビタミンやミネラルが豊富に含まれているため。なかでも注目したいのは、カリウムで、体内の余分な塩分を排出して、むくみや高血圧を改善する効果があります。調理によっては溶出して失われることもありますが、生で食べられるりんごはカリウムを摂取するのに最適です。それから、腸の働きを活発にしたり、食後の急激な血糖値の上昇を抑える食物繊維もたっぷり。水溶性と不溶性の両方が含まれています。
最近では、有用成分のポリフェノール「プロシアニジン」の内臓脂肪を減らす働きも注目されています。りんご自体が低カロリーなので、デザートや間食にカロリーを気にせず食べられ、ダイエットのサポートにも適しています。
りんごのおいしさのヒミツ
りんごの「さわやかな甘味」はどうして?
さわやかな甘みがりんごの特徴です。りんごの甘みは、果糖やショ糖などです。果糖とは、果物やハチミツなどに含まれる糖で、砂糖の1.2~1.7倍もの強い甘味があります。
葉で光合成により作られたでんぷんはソルビトールに変化して果実に運ばれます。
ソルビトールは、果実にある酵素の働きによって甘みのもとになる果糖、ショ糖、ぶどう糖に変わりますが、果糖やショ糖へ変わることができなくなると、細胞と細胞のすきまにたまり、水分を引き寄せるという特性があります。これがりんごの「蜜」の正体です。
りんごの蜜自体は、それほど甘くありません。でも、蜜の入ったりんごは甘いと感じますよね。
それは、「蜜」があるのは、りんごが熟したサインで、りんご自体が食べ頃だからです。
おいしいりんごの見分け方
では、甘味がたっぷりのおいしいりんごは、どうやって見分ければよいのでしょうか。次のポイントを参考にしましょう。
- 1 全体的に赤く、色つやがよい。
- 2 つるがしっかりしている。
-
3
お尻の部分が黄色い。
※りんごが熟しているサインなので、食べ頃です。
りんごのおいしさを長く保つには、水分の蒸発を防ぐことが肝心。新聞紙やキッチンペーパーで包んでからポリ袋に入れ、冷蔵庫の野菜室などで保存しましょう。りんごは熟成を促す「エチレンガス」を出すため、そのまま保存すると、庫内のほかの野菜や果物が傷みやすくなってしまいます。りんごから発生するエチレンガスがもれないように、ポリ袋の口をしっかり縛りましょう。
見た目はイマイチでも、味は同じ
ちょっと見た目が悪いりんごでも、
おいしさには影響がないことがほとんど。
下記のようなりんごも
おいしく食べられます。
ツル割れ
りんごのツルの根元に亀裂が入っていることがありますが、これは「ツル割れ」という現象です。「サンふじ」などによく見られます。開花時期の気温や、実の成長期にあたる夏場の雨量などが関係しているようです。また、中身の成長の早さに表皮が追い付かないことも発生要因といわれます。味は、ツル割れのないりんごと変わらず、おいしく食べられます。ただし、日持ちがしない傾向があるので、食べるならお早めに。
油あがり
「つがる」や「ジョナゴールド」などには、果皮の表面がベタベタしていることがあります。ワックスを塗っているわけではなく、「油あがり」という現象です。りんごが熟してきたサインで、食べ頃です。
サビ
りんごの皮の茶色っぽくザラザラした部分は、「サビ」または「しぶ」と呼ばれます。春先の霜害などが原因です。ただ、皮をむいてしまえば果肉に影響はないので、サビのないりんごと同様においしく食べられます。
監修/大越郷子先生(管理栄養士)
資料提供/青森県農林水産部りんご果樹課
編集/ワン・パブリッシング