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食べても読んでも楽しめる! 絵本の中のレシピ【5】『こぐまちゃんいたいいたい』の三色だんご

食べても読んでも楽しめる! 絵本の中のレシピ【5】『こぐまちゃんいたいいたい』の三色だんご

暑さもやわらぎ、過ごしやすい季節になりました。お子さんと絵本を読みながら過ごす時間も増えたのではないでしょうか。絵本の中で見つけたおいしそうな食べものを作って、食べて楽しむのもおすすめです。
そこで、料理家の星野奈々子さんに、思い出の絵本と、その中の忘れられないおやつを紹介していただきました。多くの人に愛され続けている名作、『こぐまちゃんいたいいたい』の中で、こぐまちゃんが食べていて魅力的だった三色だんごを再現します。

『こぐまちゃんいたいいたい』

『こぐまちゃんいたいいたい』

森比左志/著 わだよしおみ/著 若山憲/著 こぐま社

ファーストブックとして圧倒的な支持を得ている絵本。足に積み木が落ちたり、おだんごの串が刺さったり。こぐまちゃんが痛い思いをしながら身を守る方法を考えます。黄色やオレンジなど、鮮やかな色使いも印象的。


星野奈々子さんの絵本の思い出

星野奈々子さんの絵本の思い出

小さいころ、『こぐまちゃんいたいいたい』をよく読んでいました。こぐまちゃんの口におだんごの串が刺さるシーンが本当に痛そうで、「こぐまちゃんかわいそう!」と思いながら読んでいた記憶があります。子どもながらに、おだんごを食べるときにはこのシーンを思い出して慎重に食べていました。
絵本の中の三色のおだんごがおいしそうだったのも印象深いのですが、当時は和菓子屋さんのおだんごはみたらしとあんこのみで、三色のものは見かけることがなく、「どこに行ったら食べられるんだろう」と思っていました。
おだんごは上新粉で作るのが定番かと思いますが、作りやすいよう白玉粉を使い、時間がたっても固くならないように豆腐を加えました。また、三色にするのに着色料は使わず、緑は抹茶パウダー、ピンクはいちごを混ぜることで自然な色をつけています。おだんごはそのままでかわいいので、お皿は無地のシンプルなものなどがおすすめです。先日、図書館に行ったら、3歳くらいの小さな男の子がこの絵本を抱えているのを見かけ、いまも人気があるんだなぁと、ほっこりした気持ちになりました。

三色だんごの材料(10串分)

・白玉粉 150g
・絹ごし豆腐 100g
・砂糖 大さじ3
・抹茶パウダー 小さじ1/4
・いちご(冷凍) 50g

作り方

(1)[白色]ボウルに白玉粉50g、豆腐50g、砂糖大さじ1を入れて手でよく混ぜ合わせ、10等分にして丸めます。
(2)[緑色] 別のボウルに白玉粉50g、豆腐50g、砂糖大さじ1、抹茶パウダーを入れて手でよく混ぜ合わせ、10等分にして丸めます。
(3)[ピンク色]いちごは解凍し、別のボウルに入れて手でつぶします。白玉粉50gと砂糖大さじ1を加えて手でよく混ぜ合わせ、10等分にして丸めます。
(4)(1)、(2)、(3)を熱湯でゆで、浮いてきたら冷水に取ります。水気をきり、串に刺します。

色が均一になるように、よく混ぜるのがポイント

色が均一になるように、よく混ぜるのがポイント

材料をしっかり混ぜ、生地の色を均一にするのがきれいに仕上げるポイントです。豆腐によって水分量が異なるので、水っぽくなった場合は白玉粉を少しずつ足し、粉っぽさが残る場合には水を足して調節しましょう。生地に豆腐やいちごを混ぜると固くなりにくく、さらに形を丸くきれいにととのえやすくなります。

黄色いおだんごに替えて味と色の変化を楽しんでも

黄色いおだんごに替えて味と色の変化を楽しんでも

白色を黄色に替えた、三色だんごのバリエーション。上記の作り方(1)の要領で、白玉粉50g、オレンジジュース(果汁100%)40ml、砂糖大さじ1をよく混ぜて10等分にして丸め、作り方(4)の要領で同様に作ります。おだんごの生地を混ぜたり、丸めたりするところは小さいお子さんでもできるので、ぜひ親子で作ってみてください。

PROFILE:星野奈々子
 料理家・フードコーディネーター。ITエンジニアとして働きながら本格的に料理を学ぶ。退社後、ル・コルドン・ブルー代官山校
 フランス料理ディプロマを取得、祐成陽子クッキングアートセミナーを卒業し、独立。フレンチから和食、エスニックと幅広いジャンルを得意とし、作りやすくておしゃれなレシピが人気。企業や雑誌・書籍のレシピ開発やフードスタイリングを中心に活躍している。著書も多数。(編集/ワン・パブリッシング)

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