DATAロコモ
数値・データからロコモを理解する
ロコモは、日常生活の動作に支障が生じQOL(Quality of Life:生活の質)が大きく低下するだけでなく、要介護のリスクが高くなる状態です。
しかし、ロコモはある日突然症状が現れるものではなく、長年の生活習慣の積み重ねの結果です。ロコモは自覚症状が現れて「しまった!」と後悔してからでは遅すぎるのも大きな特徴です。
まずは、ロコモについて正しい知識を身につけ、10年後そして20年後の自分のために、今日からできることをはじめましょう。
なぜ?いまロコモ対策なのか
超高齢社会の問題
日本は、先進国の中でも類をみない速度で超高齢社会を迎え、2040年には日本の人口の4割が高齢者になると予想されています。
年齢とともに生活習慣病を始め、病気のリスクが上昇するだけでなく、足腰の機能の低下により、「立つ」「歩く」など日常動作にも支障が出る可能性が高くなります。
いつまでも元気に過ごすためには、年齢を重ねても自分のことは自分でこなす「自立した生活」が大切なのです。
- 総務省統計局「人口推計 世帯の家族類型別、世帯主の男女年齢5歳階級別一般世帯数及び割合」
寿命の格差と介護原因
2016年時点の日本人平均寿命は男性80.98歳、女性87.14歳と、日本は世界有数の長寿国です。しかし、健康に支障がなく日常生活を過ごせる健康寿命と比較すると、男性は約10年、女性は約13年も開きがあります。要支援・要介護の原因をみると、要支援者は運動器障害の一種である関節疾患が最も多く、要介護者の中で介護度が高い要介護4・5の場合、骨折・転倒が脳卒中・認知症に続きます。
つい見逃されがちな足腰の衰えは要支援・要介護の注意信号であり、放置しておくとその後大きな影響を及ぼすこともあるのです。
- 平均寿命(平成28年)は、厚生労働省「平成28年簡易生命表の概要」、健康寿命(平成25年)は、厚生労働科学研究費補助金による「健康寿命における将来予測と生活習慣病対策の費用対効果に関する研究」
- 要支援・要介護になった原因は、厚生労働省「平成28年国民生活基礎調査の概況」
ロコモ対策で覚えておきたい数字
メタボもやせすぎも要注意
近年は食生活の変化や運動不足などの影響で、日本でも肥満の割合が増えています。
肥満はいくつかのタイプに分けられ、とくに内臓脂肪が多く高血糖・脂質異常・高血圧のいずれに当てはまる場合はメタボリックシンドローム(略称:メタボ)といいます。メタボに該当しなくても、肥満は生活習慣病を始め、さまざまな病気につながるため、普段から肥満対策は重要です。
ただし、やせすぎも健康のためにはよくないことがわかっています。肥満度を示す国際的な標準指標であるBMIによる死亡リスクを調査した結果、死亡リスクは、BMI23から25が最も死亡リスクが低く、BMI27以上は死亡リスクが高くなることが認められました。
しかし、BMIが低くても死亡リスクは上昇し、BMI19未満のやせすぎはBMI30以上の肥満より死亡リスクが高いことが明らかになりました。健康のためには太りすぎもやせすぎにも気をつけましょう。
- BMI:肥満度を示す国際的な標準指標。体重(kg)/身長(m)2で計算
効率よくたんぱく質を摂取
厚生労働省は、日本人成人のたんぱく質摂取の1日の目安として、男性は60g、女性は50gのたんぱく質摂取を提唱しています。ただし、これは肉や魚自体の重さではなく、肉や魚などに含まれているたんぱく質の重量のことです。
たんぱく質60gを摂る場合は牛ヒレ肉なら約314gが目安ですが、同じ量のたんぱく質を別の食材で摂る場合、絹ごし豆腐だと4丁(約1.22kg)、卵だと8個(約488g)も摂らなくてはなりません。
お肉はたんぱく質を効率よく摂ることができる優れた食材なのです。
- 文部科学省 日本食品標準成分表2015年版(七訂)
香味野菜や果実を活用した低塩料理がオススメ
厚生労働省は、日本人成人の塩分摂取の1日の目安として男性は8g未満、女性は7g未満を推奨していますが、2016年時点で日本人成人の平均塩分摂取量は、男性10.8g、女性9.2gにのぼります。
塩分の摂りすぎは、高血圧をはじめ生活習慣病のリスクが高くなるだけでなく、骨粗鬆症などにも悪影響を与えることから、減塩はロコモ対策にもつながるといえます。
料理を味付けするときは、香味野菜や果実の旨味、酸味、甘みを活用し、薄味でもメリハリがありコクたっぷりの味付けを心がけましょう。
- 日本人の食品摂取基準2016年版・平成28年国民健康・栄養調査(厚生労働省)
「エバラ 黄金の味」は低塩調味料
黄金の味は原材料の約1/3がりんごで出来ています。
その他、はちみつやにんにく・たまねぎといった香味野菜、唐辛子をブレンドしているため、しっかり旨味を感じるのに、実は低塩なんです。