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食べても読んでも楽しめる! 絵本の中のレシピ【1】『だれでも知っているあの有名な ももたろう』のきびだんご

食べても読んでも楽しめる! 絵本の中のレシピ【1】『だれでも知っているあの有名な ももたろう』のきびだんご

秋は読書の季節。親子で絵本を読む時間も増えるはず。食欲の秋でもあるので、絵本の中のおいしそうなおやつや料理を作って楽しむのもおすすめです。
そこで、人気料理家が思い出の絵本と再現レシピをご紹介。まずは、黄川田としえさんの登場です。幼かったお子さんたちと読んだ絵本の中でも思い出深いのが、五味太郎さんの『だれでも知っているあの有名な ももたろう』なのだそう。絵本にまつわるエピソードとともに、きびだんごのレシピを教えていただきました。

『だれでも知っているあの有名な ももたろう』

『だれでも知っているあの有名な ももたろう』

五味太郎/作 絵本館

昔話の『ももたろう』とはまったく違ったいまどきのストーリーが、独特の語り口で展開されます。きびだんごのほか、いろいろなおやつも持ってピクニック気分で鬼ヶ島へ行くももたろう。はたして、無事に帰れるのでしょうか?

黄川田としえさんの絵本の思い出

黄川田としえさんの絵本の思い出

五味太郎さんの作品の色使いや、特徴的な絵が大好きなので、『ももたろう』も五味さんの本を選びました。五味さんらしいお話は予想外のことばかりで、子どもたちのお気に入りの絵本になりました。有名なストーリーとはまったく違い、読み進めるたびに子どもたちがクスッと笑ったり、前のめりになって話の展開を楽しみにしたりしていた姿を思い出します。
ももから生まれたももたろうは有名ですが、実は、ほかにもきゅうりから生まれたきゅうりたろうや、りんごから生まれたりんごたろうなどがいたとか、そんな裏ストーリーに子どもたちはワクワクしていました。ももたろうがおじいさんとおばあさんに育てられたのは有名ですが、実は、お医者さんやおまわりさんなど、お手伝いした人がたくさんいたというシーンでは「へぇ〜」と納得していたのが印象深いです。
また、きびだんごのシーンの「ピクニック気分」というのが親子ともども大好きで、実際に子どもたちときびだんごを作ってピクニック気分で食べたものです。当時、子どもたちに笹舟の作り方を教えてお皿代わりにしたのですが、懐かしい思い出のひと皿を再現し、今回も笹の葉にのせることで日本の伝統的な雰囲気を出してみました。

きびだんごの材料(2〜3人分)

・もちきび 大さじ3
・水 大さじ6

・白玉粉 100g
・砂糖 大さじ1
・水 80ml
・きな粉 適量(好みで砂糖適量を混ぜてもよい)

作り方

(1)もちきびはボウルに入れて洗い、茶こしで水気をきります。耐熱容器に水大さじ6とともに入れて30分ほど浸水させます。
(2)(1)にラップをかけて600Wの電子レンジで3分加熱し、そのまま10分ほど蒸らします。ラップを取り、もちきびを麺棒などでつぶして粘りを出し、粗熱を取ります。
(3)ボウルに白玉粉、砂糖、水80mlを入れて手でよく混ぜ、(2)を加えてさらに混ぜます。手に水をつけてひと口大に丸めます。
※生地がくっつきやすいので、手に水をつけてから丸めると上手に作れます。
(4)熱湯で(3)をゆで、浮いてきたらさらに1分ほどゆでて水にとります。水気をよくきって器にのせ、きな粉をかけます。
※だんごをゆでる際は、ぐつぐつ加熱しすぎると溶けてしまうので気をつけましょう。

もちきびの下ごしらえはレンチンで。食べやすいよう白玉粉を加えるのがコツ

もちきびの下ごしらえはレンチンで。食べやすいよう白玉粉を加えるのがコツ

きびだんごは、黄色くてプチプチとした食感がおもしろく、素朴な味わいを楽しめるもちきびを使用。もちきびを炊くのは電子レンジを利用すれば簡単です。浸水させたもちきびにラップをかけてレンジ加熱し、そのままおいて蒸らせばOK(写真a)。加熱したもちきびを粘りが出るまでつぶします(写真b)。もちきびだけでは生地がまとまりにくいので、白玉粉を加えてもっちりとした食感に仕上げ、子どもでも食べやすいように工夫しました。

きびだんごに黒みつをかけても美味

きびだんごに黒みつをかけても美味

そのまま器に盛っても、串に刺してもOK。きな粉には、お好みで砂糖を混ぜてもいいですし、または、黒みつをかけるのもおすすめです。きな粉の香ばしさに、とろりと濃厚ながら、やさしい甘さの黒みつがマッチし、風味もアップします。もちもちのきびだんご、ぜひ、親子で作って絵本の世界といっしょに楽しんでみてください。

PROFILE:黄川田としえ
 ヘアメイクアップアーティスト、料理番組のディレクターを経て料理家に。tottoさんの愛称で親しまれ、センスがよくて作りやすい料理のレシピと、世界観のあるスタイリングが人気。家族との、ほっこりとした楽しい暮らしぶりも共感を呼んでいる。メディアでのレシピ開発やフードスタイリングをはじめ、料理講師など多岐にわたり活躍。食育活動をライフワークとし、ワークショップも開催。(編集/ワン・パブリッシング)

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