黄金コラム2016.8.4



第13回
いよいよ、すべての調査が終わり、焼肉に関するさまざまな知見を得た「黄金カレンダー」編集部。今回は代官山にある『代官山焼肉kintan』にメンバーが集結し、最後の企画会議を行った。会議の議題は、これまでの調査をもとにした「黄金カレンダー」オリジナルの黄金の肉ごはんの選定。果たしてどのような黄金の肉ごはんが出来あがるのか!?
■黄金カレンダー編集部
東京カレンダー編集長 大槻篤
肉食系ライター 小寺慶子
ケータリングユニット マフィオ(平床政治/asaco)
東京カレンダー編集部 浜田洋平
大槻「はい、みなさん、調査お疲れさまでした。東京、大阪の焼肉店、肉丼のお店などを調査してもらったわけだけど、まずは前回の課題になっていた大阪の名店について。これは自分が行ってきたわけだが」
平床「写真で見ただけでも、鶴橋という街の迫力と魅力が伝わってきましたね」
大槻「とにかく、どのお店もたれへのこだわりが相当だった。『大吉』の大村店主が言っていた、『たれはお肉の味を隠すものではなくて、お肉の味を引き立てるもの』という言葉が鶴橋焼肉の真髄だと感じたね」
小寺「人気の『空』さんはいかがでしたか?」

大槻「もう、お母さんが最高だったね。あんな人気店で付きっきりで焼いてもらうなんて、これ以上の贅沢はない。思わずスマホでたくさん写真を撮ってしまったよ(笑)。鶴橋の人にとって、たれというのは門外不出の味であり、代々受け継ぐべきもの。鰻屋さんのたれに近いものを感じたね」
たれの個性が店の個性そのもの
浜田「東京のお店も、もちろんたれは大切にしているのですが、それ以上にカットの方法や焼き方など、お肉の品質を重視しているように感じました。やはり、焼肉における地域差はありますね」
大槻「たれ焼肉発祥の『鶴一』さんで聞いた、『お肉を食べる際にやけどをしないように、たれに付けたのがはじまり』というエピソードにも驚いたね」
asaco「ユニークですよね。そうやってスタートした食文化が、いまや日本中のスタンダードになっている」
小寺「肉丼も面白かったです。肉丼って構成要素が少ないんですよね。ごはん、お肉、たれ、その他お店によってプラスアルファ。だから、たれとお肉、ごはんの割合が重要だし、シンプルな構成だからこそ、一つひとつの素材に本当にこだわっているんだなと」
asaco「小寺さんが“コレは!”と思ったのは?」
小寺「甲乙付け難いんだけど、しいて言えば『赤坂 津つ井』の名物ビフテキ丼はおいしかったですね。醤油ベースのたれに、バターのコクが合わさって、えも言われぬ味になるんです。お肉の火入れのときに、いかに脂を落とすか、という話をされていて、まさに第2回で田辺さんがおっしゃっていた焼肉の脂問題のことだなと」
大槻「ホットプレートでお肉を焼くときに、アルミホイルを使う…という話があったけど、それを応用できそうだね」

平床「『サル イ アモール』さんに作っていただいたフィデウアも家でやってみたら、スゴく簡単でビックリしました。あれだけ華やかな料理だから、当然手間がかかると思いきや。ごはんを使って、パエリア風にもすぐできます」
浜田「今回、ご協力いただいた店舗の方々は、みなさん本気で「黄金の味」に向き合ってくださって本当に感謝です。それと、取材をさせていただいたお店の方全員が、『黄金の味』を知っていたことにも驚きました」
小寺「ちょい足しも面白かったです。すぐに出来るものばかりで、私も早速家で試してみました。魚粉を入れたのがおいしかったなぁ」
大槻「鶴橋の『鶴一』さんが考案してくれたちょい足しレシピだね。『鶴一』さんではいりこだしを使用しているそうだけど、その代替として魚粉を使うというのは手軽でいいよね」
小寺「たれというのは、お店の個性であり、看板。この味を創り出し、守り続けるために努力をされてきた、というのが取材を通じてよーく分かりました。果実を入れていたり、魚介のだしを入れていたり、まさに千差万別」

浜田「『黄金の味』もリンゴ、もも、うめをブレンドしていますからね」
大槻「そうだよね。多くのお店でたれに果実を使っていたし、取材をすればするほど、『黄金の味』が大切にしてきた果実のコクが、お肉をおいしくすることに直結するのだと感じたよ」
たれとお肉、ごはんという不朽の組み合わせ
小寺「あと、今回お肉をおいしく食べることはもちろん、たれに付けたお肉とごはんの組み合わせは、老若男女誰もが好む食べ方なんだと感じました」
浜田「そうですね。東京の焼肉店でも、ほとんどのお店にオリジナルの肉ごはんメニューがあって大人気だそうです。実際、第10回で行った家焼肉の食べ方に関する意識調査でも、『焼肉の時には、ごはん(白米)が必要だと思いますか?』という設問に対して、半数近い方が必要と答えていましたね」
平床「科学的な分析でも、ごはんと焼肉とたれの相性の良さが実証されていましたね」
大槻「今回、調査を通じてお肉に関するいろいろな知識を集めることができたわけだけど、それらを集約して『黄金カレンダー』編集部で、オリジナルの黄金の肉ごはんを作ってみようと思うんだ」
一同「おぉっ!」
大槻「実は『焼肉KINTAN』さんとマフィオさんの協力のもと、既に6つの黄金の肉ごはんを作ってもらっているんだ。さっそく、みんなで試食してみよう!」

浜田「こちらが今回考案していただいた黄金の肉ごはん6品です!」
一同「おぉっ!」
小寺「どれも、とても手が込んでいますね」
浜田「早速食べてみましょう。まずは、『黄金の和牛焼肉ライスケーキ』」

パーティーに華を添える「黄金の和牛焼肉ライスケーキ」(『白金割烹 金舌』料理長 篠崎 薫 監修)。「黄金の味」を使ったごまダレが秀逸
大槻「これは、いわゆる丼のイメージと違ってインパクトあるなぁ。もも肉もしっとりしているし、枝豆とトウモロコシが入っているのも夏らしくていいね。『黄金の味』を使ったごまソースも後を引くうまさ!」
asaco「見ためは濃厚な感じがするけど、後味がすっきりしていますね」
浜田「唐辛子のピリッとした辛さもアクセントになっていていいですね。赤身肉好きとしては『黄金の和牛ロースト肉ごはん』も気になります」

「黄金の味」の果実のコクと酸味の効いたマッシュソースが絶妙な「黄金の和牛ロースト肉ごはん」(『金舌』総料理長 磐井 太朗 監修)
大槻「これは、ビジュアルがずるい(笑)。ヨーグルトと柚子胡椒を加えたマッシュソースとお肉が最高に合っているね」
小寺「卵をつぶすとまろやかさもアップしますねぇ。至福…。丼って味はもちろんですけど、見ためも大事ですよね! 女子は『黄金の焼き牛丼 カプレーゼ風』も大好きだと思いますよ」

暑い夏に最適。あっさりとした味わいの「黄金の焼き牛丼 カプレーゼ風」(『星遊山』料理長 辻内 雄一郎 監修)
asaco「確かに! お肉とモッツァレラチーズ、トマトの組み合わせは間違いないです!『黄金の味』のストレートなおいしさが生きていますね。このレシピはさっそく試したいです!」
平床「意外性のある組み合わせが楽しいなぁと思ったのは、『なめこと和牛ランプステーキ 黄金の炊き込みごはん』。フレンチでお肉ときのこをよく合わせるけど、なめこを合わせたのが特徴的ですね」

「黄金の味」でごはんを炊き込んだ「なめこと和牛ランプステーキ黄金の炊き込みごはん」(『焼肉KINTAN』総括料理長 鈴木 有 監修)
大槻「オクラも入っているからスタミナがつきそう!『黄金の味』で炊き込みごはんにしているのも素敵なアイディアだね。これは、夏バテ気味のときこそ食べたくなる味!」
浜田「見ためはおしゃれですけど、男の胃袋もガッとわしづかみにされますね! 僕がもし女性に手作りの料理を振る舞うなら、『黄金のアボカド ポルペットーネ』を作ってみたいです。これは、肉ごはんではありませんが、ごはんを進めさせる最強のおかずといえますよ」

お肉の中にはアボガドが丸ごと。「黄金の味」をベースにした黄金クリームソースが絶品の「黄金のアボカド ポルペットーネ」(『六本木焼肉 Kintan』料理長 高橋 誠 監修)
大槻「これが作れたら株がアガるだろうなぁ(笑)。お肉にナイフを入れると、なかからとろりとしたアボカドが出てくるっていう意外性がいいよね。『黄金の味』を使ったクリームソースも美味」
asaco「『黄金の味』って本当に色んな表情を見せてくれますよね」
大槻「ベースの味がしっかりしているからおいしさがブレないんだよね。お肉にどんな食材を合わせてもバランスよくまとまるのは『黄金の味』ならでは」
asaco「私たちも『黄金の味』のおいしさをストレートに生かした丼を考えてみました。家庭でパパッと作れてサッと食べられるというのがテーマの『黄金の焼肉ミルフィーユライス』です」

焼くだけ簡単な、焼肉とごはんの合わせ技。「黄金の焼肉ミルフィーユライス」(マフィオ監修)
大槻「これが家でパッと出てきたら感動するよ! 大人も子どもも大好きな味だし、パーティーでも喜ばれること間違いなしだね。『黄金の味』はたっぷり使っても味がくどくならないのもいいよね。浜田はどれが一番好みだった?…って、すでに完食してるし(笑)!」
浜田「いやー。正直、このなかでどれか選べといわれると悩んじゃいますね…。どれもおいしすぎです」
大槻「そうなんだよ(笑)。だから、この黄金の肉ごはんを編集部だけで食べるのはもったいないなぁと思って…。読者のみなさんにも食べてもらう機会を作れたら素敵だと思うんだけど、どうかな?」
平床「いいですねぇ。イベントとか楽しそうですね」
小寺「私、絶対に食べに行きますよ!」
浜田「たとえばですけどね、これを開発していただいた『焼肉KINTAN』さんに極力を仰ぐとか…」
大槻「そうだな。可能性はあるだろうね。一度、交渉してみようか。『黄金の味』の新しい魅力を感じてもらえる機会になるし、お店を訪れる機会にもなるよね」
浜田「読者のみなさんにぜひ、この味を楽しんでもらいたいですね!」
asaco「そうですね!」
大槻「それでは、イベント実現に向けて動き出してみようかね」
浜田「実現したら絶対に楽しいですよ!」
大槻「詳細はまた次回!ということだな!」
一同「本当に楽しみです!」
■「黄金カレンダー」焼肉企画会議 議事録
- ・お店にとってたれというのは門外不出の存在であり、唯一無二!
- ・果実を使ったたれが大半を占めた
- ・肉自体にこだわる東京と、たれにこだわる大阪、という傾向が見えた
■「黄金カレンダー」焼肉企画会議 決定事項
- ・今回考案したメニューを読者のみなさんにも食べていただくイベントを検討する
- ・詳細は次回の更新で報告!
こちらも読まれています!

2016.6.29
第1回東京カレンダー編集部と肉のプロが“家焼肉…
世は空前の肉ブーム。人気の焼肉店には予約が殺到し、各地では肉フェスなどのイ…

2016.6.29
第7回こだわり焼肉店増加! そして肉ごはん人気…
初回の対談の後、家焼肉のコツ、プロから教わる焼肉レシピ、味覚調査を経て…