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子どもの約4割がやせ傾向親の“料理力”が子どもの体形に影響!?「葉物・レンチン・切るだけ」のトリプル野菜+お肉の食事を
2018.06.29

子どもの約4割がやせ傾向
親の“食に関する知識の差”が
子どもの体形に影響!?
「葉物・レンチン・切るだけ」の
トリプル野菜+お肉の食事を

エバラ食品は「食事と栄養に関する、意識と実態の調査」をインターネットで実施しました。医学博士・管理栄養士の本多京子先生によると、多くの料理が並んだ一見バランスのよさそうな夕食でも、栄養バランスに偏りがあり、特に、小学生の夕食ではビタミン類や鉄分・カルシウムなどのミネラル類が不足傾向にあるといいます。また、小学生の約4割にやせ傾向が見られ、その原因の一つに親の「食に関する知識の差」があると指摘しています。

調査結果①

小学生の約4割が“やせ傾向”
10歳からは成人女性と同じエネルギー量が必要!

調査では小学生の約4割にあたる37.1%が“やせ傾向”にあることがわかりました。本多先生は「成長期の子どもは体が小さくても、実は大人並みに栄養が必要です。例えば10~11歳の子どもは男女ともに、20~40代の成人女性よりもエネルギーを必要とします(※)。“子どもは大人の半分くらい”と適当に考えて、必要な食事量を与えていないケースも多いので注意してくださいね」と指摘しています。

※日本人の食事摂取基準(2015年版)

小学生の約4割が“やせ傾向”10歳からは成人女性と同じエネルギー量が必要!

小学生の体形についての調査

小学生の体系についての調査

児童の栄養状態の判定に用いるローレル指数をもとに算出

調査結果②

親の“食に関する知識の差”が子どもの体形に影響!?

標準体形の子どもを持つ親と比べ、やせ傾向の子どもを持つ親の方が2倍以上も「基礎調味料をうまく使いこなせない」と感じていることが判明。また、標準体形の子どもを持つ親と比べ、「料理のレパートリーが少ない」と感じている人は、やせ傾向の子どもを持つ親で1.5倍以上、肥満傾向の子どもを持つ親で2倍以上も多いことがわかりました。
「食への知識や調理経験の不足を感じている親御さんには、少しずつでいいので、子どもの成長に必要な栄養知識や、効率よく栄養がとれる調理法などを身につけてもらいたいですね」と本多先生はコメントしています。

基礎調味料がうまく使いこなせない

基礎調味料がうまく使いこなせない

料理のレパートリーが少ないほうだ

料理のレパートリーが少ないほうだ
調査結果③

ビタミン類・ミネラル類が不足しがちな小学生の夕食実態

今回の調査で、夕食の写真を撮影し、食べたメニューを記入してもらいました。すると、小学生の夕食は、家庭の手料理が多く見られ、品数も多い傾向が見受けられました。しかし、管理栄養士から見ると、野菜が不足気味で全体的に栄養バランスに偏りがあることがわかりました。

  • 小学生女児の夕食

    小学生女児の夕食

    ・ 白米お茶碗1杯

    ・ 自宅で作ったわかめスープ1杯

    ・ 自宅で作った鶏肉とカシューナッツとピーマンのカラフル炒め1皿

    ・ 自宅で作ったもやしときゅうりのナムル1皿

    ・ 市販の素を使って自宅で作った麻婆豆腐1皿

    <バランス判定>

    不足:ビタミン類、鉄分、カルシウム

    過剰:カロリー、塩分

  • 小学生女児の夕食

    小学生女児の夕食

    ・ 豚バラとレンコンの照り焼き

    ・ レタスとトマト

    ・ 市販のひじき入りはんぺん焼き2つ

    ・ 蒸しさつまいも 2切れ

    ・ 豆腐、しめじ、玉ねぎ、わかめの味噌汁

    ・ 白米

    <バランス判定>

    不足:ビタミン類、カルシウム

    過剰:カロリー、塩分

  • 小学生男児の夕食

    小学生男児の夕食

    ・ 白米お茶碗1杯

    ・ 自宅で作ったチーズカツ

    ・ レタス

    ・ ミニトマト

    ・ 自宅で作ったもやしのナムル

    ・ 自宅で作ったチーズ揚げ餃子

    <バランス判定>

    不足:ビタミン類、食物繊維、カルシウム、鉄分

    過剰:なし

  • ※夕食メニューは原文ママ、一部固有名詞を修正しています

    この結果について本多先生は「一見すると品数が多く、見た目には栄養バランスがよさそうですが、多くの小学生の食事で、野菜が不足していました。その結果、ビタミン類、鉄分やカルシウムなどのミネラル類が不足しがちになってしまうのです。鉄分は体がどんどん大きくなり血液や筋肉がたくさん作られる成長期の子どもに不可欠な栄養素です。10~11歳の男児では1日当たり10mg、女児では10~14mgの鉄分摂取が推奨されています(※)。これは、成人の摂取基準量よりもはるかに多い量なのです。また、海藻類やナッツ類に多く含まれるマグネシウムは、カルシウムを吸収し、骨に定着させるために必要な栄養素です。カルシウムは吸収率が低いので、マグネシウムやビタミンDなど骨作りに役立つ栄養素とバランスよくとることが大切です。子どものためにも、栄養バランスのとれた食事を作ってあげたいですね」とコメントしています。

    ※日本人の食事摂取基準(2015年版)

    調査結果④

    母親の約7割が意識と実態にギャップあり!
    無意識に“子どもの好きなもの”ばかり!?

    小学生の子どもを持つ20~40代の女性のうち71.3%が、子どもの食事の“栄養バランスがとれている”と自信を持っていたものの、管理栄養士から見ると全体的に野菜不足の傾向にあり、栄養に偏りがあることがわかりました。
    「今回の調査では、仕事に家事に育児に忙しい毎日を送っているにもかかわらず、子どものために家庭で手料理を食べさせている親御さんが多く見受けられました。品数も多く栄養バランスがとれているだろうと自信を持たれているようです。ただ、子どもがごはんを残さず食べてくれるようにと、無意識に子どもが好きな食材やメニューばかりになり、苦手な野菜を食卓に出さなくなっているのかもしれません。栄養バランスの偏りは『やせ』や『肥満』にもつながります。『食』は体と心を育む基本です。子どもの身長や体重の変化、生活習慣に気を配り、好き嫌いなく、なんでもおいしく食べられる大人に育ててあげてほしいですね」(本多先生)。

    子どもの夕食の栄養バランスの自覚

    子どもの夕食の栄養バランスの自覚
    調査結果⑤

    大切なのは量と質!本多先生がおすすめする
    「葉物・レンチン・切るだけ」のトリプル野菜とお肉の黄金バランス

    本多先生は「1日の野菜の摂取目安は大人の場合で350g以上(※)とされているため、1食当たりの野菜摂取量は120gを目安にしましょう。量の目安は、両手のひらに山盛り1杯の野菜。ただ、レタスやキャベツなどの『葉物野菜』ばかりだと栄養素が足りません。かぼちゃやブロッコリーなどカロテン類やビタミンC、食物繊維を多く含み、電子レンジで加熱して簡単に食べられる『レンチン野菜』や、トマトやピーマンなど切るだけでおいしく食べられる『切るだけ野菜』をとり入れるようにしてください。『葉物・レンチン・切るだけ』のトリプル野菜を、それぞれ同じくらいの分量ずつ食べれば、自然にビタミン類や食物繊維などの栄養素をバランスよく摂取することができます。そして子どもが好きなお肉などのたんぱく質食品は片手分(約100g)を目安にして、栄養バランスをとってくださいね。ただし、注意したいのが味付け。ソースやドレッシングなどをたっぷりかけてしまっては、味が濃くなり食べ飽きてしまううえ、塩分や脂質を過剰にとりすぎてしまいます。ついつい多くなりがちな塩分に気をつけて栄養バランスのよいごはんを作ってあげましょう」とコメントしています。

    ※厚生労働省の「健康日本21」が推奨する野菜摂取量

    トリプル野菜 野菜例
    葉物 レタス、キャベツ、白菜、ベビーリーフ、
    サラダほうれん草、スプラウト など
    レンチン かぼちゃ、ブロッコリー、とうもろこし、
    アスパラガス など
    切るだけ トマト、きゅうり、パプリカ、ピーマン、大根、
    かぶ、にんじん など

    <1食あたりの目安量>※イラストは目安量のイメージです

    <1食あたりの目安量> <1食あたりの目安量>

    【調査概要】

    調査期間: 調査期間:2018年3月13日(火)~16日(金)、3月30日(金)~4月2日(月)計8日間
    調査対象および有効回答数 : 合計719人(男性122人、女性597人)
     ① 小学生の子どもを持つ女性(※1)240人
     ② 20~30代の働く独身女性238人
     ③ 60歳以上のシニア241人
    調査方法: インターネット調査(※2)
    調査地域: 全国
    • ※1 対象①は、回答者自身ではなく小学生の子どもについてのアンケートです。
    • ※2 小数点以下第2位を四捨五入しているため、合計が100.0%にならない場合があります。

    子どもでも要注意!
    夏バテ予防には「ビタミンB1
    子どもの成長に欠かせない「たんぱく質」と一緒にとって

    子どもでも要注意!夏バテ予防には「ビタミンB1」子どもの成長に欠かせない「たんぱく質」と一緒にとって

    海やプールなど、夏休みの子どもたちは外で遊ぶ機会が増え、多くの汗をかきます。

    子どもは大人よりも体温調節が苦手なので、熱中症や夏バテに注意が必要です。
    夏バテの予防にはビタミンB1を意識してとりましょう!ビタミンB1は糖質の代謝に欠かせない栄養素で、豚ヒレ肉や牛レバー、赤身の多いもも肉などに多く含まれます。また、赤身肉は子どもの成長に欠かせないたんぱく質も同時にとることができます。

    猛暑が予測される今年の夏は、ビタミンB1が豊富に含まれる食品を積極的にとって、夏バテを防ぎましょう!

    子どもでも要注意!夏バテ予防には「ビタミンB1」子どもの成長に欠かせない「たんぱく質」と一緒にとって
    本多京子(ほんだ きょうこ)先生

    本多京子(ほんだ きょうこ)先生

    医学博士
    管理栄養士
    NPO 日本食育協会理事

    スポーツ選手の栄養指導や食育に長年携わる。テレビや雑誌では、健康と栄養に関するアドバイスやレシピを多数提供。
    主な出演番組 NHK『ごごナマ』、『きょうの料理』、『趣味どきっ』他
    雑誌、新聞の出演多数。著書は 60 冊を超える。

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