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もっと楽しむ!BBQ攻略のコツ
初心者のための お肉の焼き方ガイド

2025.09.19

初心者のためのお肉の焼き方ガイド

記事の監修
田中 敬二
(たなか けいじ)さん
バーベキュー上級インストラクター、お肉検定1級などの資格を持ち、バーベキュー世界大会への出場経験もあるお肉のエキスパート。2人の子を持つ父親でもあり、余暇は家族や友人とバーベキューを楽しむ。

1 焼肉とバーベキューの違いとは?

日本では「バーベキュー」と「焼肉」は、同じような意味合いで使われることが多いですが、実は食べ方に違いがあります。
焼肉は、鉄板や網を囲み「焼きながら食べる」スタイルで、調理と食事が同時に進む、いわばセルフ調理の延長です。

一方、バーベキューは屋外で、あらかじめ食材を「焼いてから食べる」スタイル。皆で一緒に楽しむ“パーティー”形式で、ホストが調理を担当し、ゲストをもてなすという文化的な側面も強いのが特徴です。

2 知っておきたい!肉の焼き方の種類(直火焼き・間接焼き・スモーク)

バーベキューで肉を焼く時には、いくつか焼き方の種類があります。

  • ◆ 直火焼き

    食材を網の上に直接を置いて焼くスタイル。焼きあがりに網の焼き目が付き、炭特有の香ばしさが味わえますが、厚みのある肉は中まで火が通りにくいのが難点です。

  • ◆ 間接焼き

    直接食材に火を当てない焼き方。火が通るのに時間がかかる塊肉や、スペアリブなどを焼くときに最適。グリルの両端に炭を寄せ、炭のない真ん中のエリアにアルミ容器などを置いて焼きます。

    身が崩れやすい魚介類には、ホイル焼きもおすすめです。香草や野菜と一緒に包めば、旨味を閉じ込めた風味豊かな一品に仕上がります。
    また、下味をつけた肉を焼く際には、鉄製のスキレットやフライパンを使うと、焦げつきにくく、網の汚れも防げるため、準備しておくと便利です。

  • ◆ スモーク(燻製)

    チャンクスといわれるスモークウッドやスモークチップを燃やし、そこから上がる煙で調理する焼き方です。間接焼きと同様に直接食材には火を当てず、炭火の上にウッドやチップを置き、蓋をして蒸し焼きにします。なお、乾いたスモークチップをそのまま炭に入れてしまうと燃えてしまうので、予め1時間程度水に浸してから使用します。

3 おいしく肉を焼くために!覚えておきたい下準備の3つのコツ

焼き始める前のひと手間で、仕上がりはぐんと変わります。お肉をもっとおいしく焼くために、簡単だけど効果的な“下準備”のコツを3つ紹介します。

①「筋切り」で見た目もおいしく

焼いたお肉をより“おいしそう”に仕上げるポイントは、「筋切り」です。焼く前に、赤身と脂肪の境目にある筋に、包丁で数カ所切れ目を入れておきましょう。厚みのあるお肉であれば、裏側にも切れ目を入れると、焼きあがりがより美しく仕上がります。
<POINT>
縮んだときに反り返りやすいコーナーに沿って、狭い間隔で細かく切れ目を入れましょう。縮みや反り返りを防ぎ、よりおいしそうな見た目に仕上がります。

②火の通りを均一にするために「常温」に

冷蔵・冷凍したお肉は、焼く前に室温に戻しておくのが、おいしく焼くコツです。室温に戻すことで、外側と内側の温度差がなくなり、火が均一に通ります。

③「塩ふり」は焼く直前に

ジューシーなお肉を味わいたいなら、塩は焼く直前にふりましょう。早めに塩をふって長時間置いてしまうと、肉が固くなる原因になります。これは、浸透圧の作用によって塩をふった部分から水分が流れ出してしまうためです。

3 肉の種類に合わせて最適な炭のレイアウトをしよう

同じ肉でも、炭の置き方ひとつで仕上がりは変わります。肉の種類や厚みに合わせた炭のレイアウトで焼きましょう。

  • 厚切りステーキ肉

    牛ステーキなど表面に焼き目をつけ香ばしさを味わいたいメニューは、炭を斜めに敷くスタイルの「スリーゾーン・ファイア」がおすすめ。高温の部分で表面を焼き固め、弱火でじっくりお好みの焼き加減に仕上げます。

  • 鶏肉、豚肉

    脂が落ちやすく、グリルが汚れやすい鶏肉や豚肉には、「スプリットツーゾーン・ファイア」の炭配置で焼きましょう。グリルの両サイドに炭を置き、中央には炭を置かず、アルミホイルなどで受け皿を作るレイアウトです。中央の弱火ゾーンに肉を置くことで、遠赤外線の効果によりじっくりと火が入り、脂による汚れや炎の発生も抑えられます。

3 ステーキ肉の焼き方と焼き加減の見極め方

「肉焼き」はお肉の種類や部位、大きさによって、その旨味を引き出す方法は実に100を超えるといわれる、実は奥が深い調理技法です。
今回はその中から家庭でも簡単に実践できる、厳選技をピックアップして紹介します。

ステーキ肉の焼き方とポイント

<ポイント①>やわらかく仕上げるポイントは「65℃焼き」

お肉をジュ―シ―にやわらかく仕上げるには、お肉の中心温度が65℃を超えないようにすることがポイントです。この65℃を超えてしまうと、お肉の中にあった旨味の肉汁がどんどん外に流出してしまい、お肉がかたくなってしまうのです。

<ポイント②>肉汁が浮き上がってきたらひっくり返すタイミング

お肉の中心温度が65℃近くに熱せられると、お肉の表面にうっすらと肉汁が浮き上がってきます。この「浮き上がってきた肉汁」が中心温度65℃の目安です。これがみえたら、お肉をひっくり返すタイミングです。ひっくり返した裏面の方も、表面にうっすら肉汁が浮かび上がってきたら完成!

※日本で販売されている食肉(一枚肉)については、中心温度「65℃焼き」での食中毒リスクは、相当低いと捉えていますが、それでもご心配な場合や、ひき肉や結着肉(サイコロステーキ)などの場合は、中心温度を65℃近辺に抑えることにこだわらず、十分加熱をしてください。

好みの焼き加減は、手のひらの「腹」と「指」でチェック!

レア、ミディアムなど、人によってお好みの焼き具合は異なります。でも、お肉の内部が見えないのが悩みのタネ。
そんな時、実は自分の手とフォークさえあれば、いとも簡単に、好みの焼き加減を確かめることができるのです。
お肉をフォークで押した感触と手のひらの感触を照らし合わせ、さっそくチェックしてみましょう。

◆レア【内部温度の目安 55~65℃以下】

表面は焼けているが、中心部は生で肉汁が多い。かなり弾力がある。
※人差指と親指で輪を作ったときの、親指の付け根の固さ

◆ミディアム/レア【内部温度の目安 65℃】

レアよりは火は通っているが、中心部はまだ生の状態。切ると赤い肉汁がにじみ出る。
※中指と親指で輪を作ったときの、親指の付け根の固さ

◆ミディアム【内部温度の目安 65~70℃】

中心部にちょうど良い状態に火が通り、薄いピンク色。肉汁は少ししか出ない。
※薬指と親指で輪を作ったときの、親指の付け根の固さ

◆ウェルダン【内部温度の目安 70~80℃】

肉汁はほとんど出ない。弾力も少ない。
※小指と親指で輪を作ったときの、親指の付け根の固さ

記事の監修
田中 敬二
(たなか けいじ)さん
バーベキュー上級インストラクター、お肉検定1級などの資格を持ち、バーベキュー世界大会への出場経験もあるお肉のエキスパート。2人の子を持つ父親でもあり、余暇は家族や友人とバーベキューを楽しむ。
■資格
2000年2月栄養士免許取得
2013年12月バーベキュー上級インストラクター
2014年11月お肉博士1級取得(全国食肉検定委員会)
2015年4月シュハスケーロ資格取得(JBBQA認定)
2016年12月Certified Barbecue Judge(国際資格)
2017年1月バーベキュー中級講習MC資格取得(JBBQA認定)
2017年12月SCA Judging(SCA認定国際資格)

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