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もっと楽しむ!BBQ攻略のコツ
初心者のためのバーベキュー火起 こし&片付けガイド 初心者のためのバーベキュー 火起こし&片付けガイド

2025.09.19

初心者のためのバーベキュー火起こし&片付けガイド

記事の監修
田中 敬二
(たなか けいじ)さん
バーベキュー上級インストラクター、お肉検定1級などの資格を持ち、バーベキュー世界大会への出場経験もあるお肉のエキスパート。2人の子を持つ父親でもあり、余暇は家族や友人とバーベキューを楽しむ。

1 バーベキューに利用する炭の種類と、炭火の効用

素材の旨味を引き出してくれる炭調理。炭火の効能とバーベキューで使用する炭の種類を紹介します。

  • ◆ 炭火調理の効果

    炭火は遠赤外線の効果で、食材の表面を香ばしく焼き上げながら、内部までじっくりと熱を通します。そのため、外はパリッと、中はふっくらジューシーに仕上がり、旨味もぎゅっと閉じ込められるのが特徴です。さらに、炭ならではの燻煙効果によって、食材に独特の香ばしさが加わり、より奥深い味わいが楽しめます。

  • ◆ 炭の種類

    ・備長炭:高密度で火持ち・火力最強の高級炭。着火に時間がかかる。
    ・黒炭:火持ちは良くないが、着火性は良く安価。ホームセンターなどで手軽に購入可能。
    ・菊炭・切炭:着火性と火持ちは備長炭と黒炭の中間程度。着火すると切り口が美しい。
    ・オガ炭:オガクズを固めた炭。着火性は良くないが火持ちが良く安価。
    ・成形炭:木材粉やヤシ殻などを固めた炭。着火性も火持ちも良くコスパ良好。

2 火起こしは道具で楽に!チャコールスターターの使い方

バーベキューで初心者が手間取るのが炭の火起こし。そんな火起こしを助けてくれる便利なアイテムが「チャコールスターター」です。
面倒な火起こし作業を簡単にできる「チャコールスターター」の使い方を紹介します。

  • 用意するもの

    ・スターター
    ・炭(2種類あるとよい)
    ・新聞紙(着火剤などでも可)
    ・着火ライター
    ・耐熱グローブ(軍手)

チャコールスターターの使い方

  • [1]炭をチャコールスターターに入れる
    (火が付きやすい、成形炭を半分ぐらい先に入れ、オガ炭などBBQに使用する炭を上から重ね入れる)

  • [2]新聞紙をふんわりと丸め、チャコールスターターの下に詰める
    ※固形着火剤でもよい

  • [3]着火ライターで新聞紙に火をつける。

  • [4]煙突効果による上昇気流で火と熱が上に伝わり約20分で全体が着火する。

  • [5]上の炭が灰をかぶって白くなってきたら火起こし完了。

  • [6]耐熱グローブをつけ、チャコールスターターの取っ手をしっかりと持ち、バーベキューグリルに移す。

3 チャコールレイアウトで火加減を調整しよう

バーベキューを成功させるには火加減も重要です。炭はガス火のように火力の調整はできないので、炭の配置(チャコールレイアウト)で火力を調整します。

  • スリーゾーン・ファイア

    炭を敷かないエリアと、炭を斜めに積んだエリアを組み合わせたレイアウト。炭の配置や網との距離を調整することで、火力に強弱をつけられます。炭を高く積んだ強火ゾーンは230度以上の強火に、炭を一層に積み上げた中火ゾーンは、180度から230度、炭のない部分は約120度から180度の弱火になります。表面にしっかり焼き色をつけた後、中までじっくり火を通したいステーキなどの調理におすすめのレイアウトです。

  • ツーゾーン・ファイア

    グリルの半分に炭を置くことで、高温と低温の2つのゾーンができるレイアウトです。炭を置いた側は高温になるので、表面に焼き目をつけたいときに適しており、反対側の低温ゾーンは焼き上がった料理を休ませておく「キープゾーン」として利用できます。

  • スプリットツーゾーン・ファイア

    グリルの両サイドに炭を置き、中央を空けたレイアウト。中央にはアルミホイルで脂受けを作り水を張ります。炎の立ち上がりを防げます。炭火のダイレクトな火力が伝わる両サイドは中火で、まず中火ゾーンで鶏肉や豚肉など表面を焼き上げ、中央部へ移動し、グリルに蓋をし、じっくりと、遠赤外線効果で中まで火を通す食材におすすめのレイアウトです。

炎が見えたら「水鉄砲」で消火

肉を焼いていると、滴り落ちる脂で引火してしまうことも。炎が上がって食材に直接当たると焦げてしまいせっかくの食材が台無しになります。
そんなときに役立つのが「水鉄砲」。ピンポイントで火を抑えることができます。
手が空いている人にお手伝いいただき、協力してもらいましょう。

3 焼く順番にもコツがある!みんなが大満足するおすすめの焼き方

バーベキューは食材が焼きあがるまでの時間を考えてスマートに進めたいもの。家族や友人を満足させるために、やみくもに食材を焼くのではなく、みんなのお腹の減り具合や食材が焼きあがるまでの時間を考えて焼いていきましょう。

  • STEP1 まずは牛肉!

    最初に焼くのは牛ステーキ肉がおすすめ。分厚いステーキ肉におすすめなのはスリーゾーン・ファイア。最初は炭を高く積んだ高温エリアでこんがりと焼きあげ、焼き色がついたら、弱火ゾーンに移して数分置きます。一口大にカットして、たれをつけて召しあがれ。

  • STEP2 野菜はまるごと豪快に

    ピーマンやとうもろこしなどの野菜はまるごと焼くのがおすすめ。野菜を焼くには、ツーゾーンがおすすめ。お好みの野菜にオリーブ油をぬり、中火ゾーンで焼き目が着いたら、弱火のエリアで焼きましょう。とうもろこしは皮付きの状態で蒸し焼きにすると風味がアップします。

  • STEP3 鶏肉や豚肉はじっくり

    牛肉や野菜を食べている時間を使って、鶏肉や豚肉といった時間がかかる食材を焼きましょう。鶏手羽元や豚スペアリブなどの骨付き肉は「黄金の味」で一晩漬け込みます。下味をつけた肉は焦げやすいので、スプリットツーゾーン・ファイアがおすすめです。中火エリアで焼き目をつけたら、弱火ゾーンへ移動し、じっくりと中まで火を通しましょう。

3 「来た時より美しく」。スマートに片付けよう

楽しいバーベキューの締めくくりは、しっかりとした片付けと火の始末を。「来た時より美しく」を心がけ、ゴミの持ち帰りや使用場所の清掃を忘れずに行いましょう。
なかでも大切なのが炭の処理。見た目には火が消えていても再び着火する恐れがあるため、取り扱いには十分な注意が必要です。また、炭に直接水をかけると水蒸気でやけどをする危険やグリルが変形するおそれがあるため、水をかけて消火するのは避けましょう。
安全に鎮火させるには、蓋つき容器の「火消し壺」が便利。炭を入れて蓋をすることで酸素が遮断され、確実に火を消すことができます。
なお、炭は自然に分解されないため、土に埋めるのはNG。残った炭は次回のために再利用がおすすめです。
最後までスマートに、気持ちよくバーベキューを楽しみましょう。

記事の監修
田中 敬二
(たなか けいじ)さん
バーベキュー上級インストラクター、お肉検定1級などの資格を持ち、バーベキュー世界大会への出場経験もあるお肉のエキスパート。2人の子を持つ父親でもあり、余暇は家族や友人とバーベキューを楽しむ。
■資格
2000年2月栄養士免許取得
2013年12月バーベキュー上級インストラクター
2014年11月お肉博士1級取得(全国食肉検定委員会)
2015年4月シュハスケーロ資格取得(JBBQA認定)
2016年12月Certified Barbecue Judge(国際資格)
2017年1月バーベキュー中級講習MC資格取得(JBBQA認定)
2017年12月SCA Judging(SCA認定国際資格)

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