「タレ坊、『ハレの日』って知ってるかい?」
エバラ家一番の物知りおじいちゃんが、聞きました。
「昔はね、普通の日を『ケの日』、お祭りの日を『ハレの日』って言ったんだ」
「そうそう、お節句になると『晴れ着』を着てねぇ」
おばあちゃんが、昔を思い出すようにゆっくりと言いました。
お父さんが、新聞から顔をあげて、幼稚園児のタレ坊に説明をしてくれました。
日本には昔から月に2回か3回の『ハレの日』があって、今ではそれが『国民の祝日』として残っているのだ。ことに、七草、ひな祭り、こどもの日(端午の節句)、七夕、菊祭り(重陽の節句)は大切なんだ、と。
「『ハレの日』には、普段食べないようなごちそうをいただくんだ」
「じゃあ、今日はごちそう食べる日だ。やった〜!」
「ごはんにしましょう。手伝ってね」
お母さんが、台所から顔を出しました。タレ坊はパッと立ち上がって、お箸を取りに走ります。
しばらくすると、5年生のお姉ちゃんが、
バレエ教室から帰ってきました。
「ただいまー。あっ、今日は焼肉なの?」
タレ坊は、お姉ちゃんの方を向くと、自慢げに大きな声で言いました。
「お姉ちゃん、今日は何の日だか知ってる?
子どもの日は、『タレの日』なんだよ!」
「!」
お父さんもおじいちゃんもおばあちゃんも、
はじかれたように笑い出しました。
お姉ちゃんは、きょとんとしています。
エバラ家の食卓は、今日もにぎやか。
みなさんも、楽しい休日をお過ごしください。
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