「おねーちゃーん、バーベキューやるよー。おーい、おーい」
タレ坊が庭から一生懸命声をかけますが、お姉ちゃんは返事もしません。今日、本当は家族でプールに行くはずだったのですが、お母さんとおばあちゃんが二人とも夏風邪でダウンをして、行けなくなってしまったのです。
お母さんたちの前では我慢をしていたのですが、お休みのたくさんある幼稚園のタレ坊と違って、塾や習い事で家族と遊びに行く機会の少ない味々ちゃん、やっぱり寂しかったようです。
「わー、おじいちゃん、ピーマン切らないの?」
「大丈夫。種なんか、食べながら取ればいいんだから」
「お父さん、じゃがいもの皮はむいてよ!」
「平気、平気。丸ごとこうやってアルミホイルに包んで、炭に放り込むんだ。ホイッ!焼けたらむいて食べればいいさ」
台所を汚さなくてもいいようにと庭にバーベキューコンロを出したのですが、男だけの料理は何とも豪快。しばらくして、泣き顔をしたお姉ちゃんが、心配そうに出てきました。
「そら、ちょうどよくとうもろこしが焼けてるぞ」
焦げたしょうゆの香り、お肉の焼ける匂い、ジュージュー焼ける音もごちそうです。
「・・・おいしい・・・」
「ボク、お母さんとおばあちゃんに、持っていってあげてくるね」
ヒュ〜ルルル、パァ〜〜ン!そうだ、今日は近くで花火大会があったのでした。
思いがけなく、庭で花火とバーベキュー。お姉ちゃんには、忘れられない夏の思い出になったようです。
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